10月5日、PARTY
秘密の場所がある。
わたしにもあなたにもある。
そういう世界でわたしたちは生きているんだね。
群青が切り替わる朝の始まりとか或いは夕暮れの最期。
虫歯が痛くて眠れない夜とかそんな時にかける好きな人への電話とか。
会いたいって言ってくれる人には尻尾を振ってしあわせな飼い犬みたいに会いに行きたい。
そういうのはちょっと大げさにわたしを守ってくれている気がする。
わたしは幼い青さを抱えたまま乳白色の大人になった。
きっときれいな色をしているんだと思うけれど、それは危うい気もする。
わたしは危ういことを美徳として生きていきた節がある。
それはどうやっても取り除けないほどになってしまって、それに染まる前のわたしだったら、写真に写る時にあんなヘンテコなポーズをしてたわたしだったら、今のわたしをもっとしあわせにできてやれていたかもしれなくて。だから、編み直す暮らしの中にうずくまる時見る水たまりや、朝方明るくなってきた薄明の色がそんな風であればいいなと思う。懐かしい色。懐かしい朝。懐かしい擦り傷。それがそんな風な色だったらいいなと思う。祈りは鳴り止まないんだ。
手が震えて文字を書けなかったわたし
部屋に閉じこもって差し入れのあんぱんと牛乳を食べていたわたし
写真が生かしてくれていたわたし
遺書を書いては捨てた朝を何度も迎えたわたし
わたしがこうなったのは、わたしのせい。
どこに行ったの、わたしはわたしに暑中見舞いを書いてるよ。
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