1月30日、call my name
わたしはひどいことをした。
取り返しのつかないことを。
「精神科薬なんて病院側の利益のためだけに出されてるんだよ。薬づけにされてるだけ。働いたら幻聴が聞こえる薬でも飲まされてるんじゃないの。」と言われた。
混乱させないで欲しかった。薬で落ち着いている自分を、泣かずに済んでいる自分を、死にたい気持ちに蓋をしている自分を、信じないとやってられない。薬なんて本当は飲みたくない。でも飲まないと周りに迷惑をかけてしまう。葛藤はいくらでもしてきた。飲んでも治らない。根本的に治す薬じゃないからだ。知ってる。だから、この数年間のことが分からない。どうしてこうなったのかも分からない。そんなことは考えてもどうにもならないから考えない。死ぬのがこわいからクスリを飲んでいるのか生きるのがこわいからクスリを飲んでいるのかよくわからない。
「飲んだことも、なったこともないくせに」
わたしはほとんど投げやりにそう口にしていた。
その人は「病院にかかって病名をもらって薬を飲んでそれが全てか?」と言った。
自分のことを決めつけるな、とも言った。
その人はきっと病名を貰わずに薬も飲まずになんとか踏ん張っている人だった。
電車だって人ごみだって怖いとキツケのビールをのんでいた。
なのにわたしは、そう放ってしまった。
わたしは混乱させないで、と泣きじゃくっていた。
でもこれが現実だよとその人は話をやめそうになかった。
それ以上わたしをかき乱さないで欲しかった。
人のことを決めつけるなんて最低なことをした。
でもその人だって十分土足だった。
わたしには何が正しいのか分からない。
家に帰ってパータと目があった時
わたしパータになりたいよ、って泣いた。
無垢で素直でかわいいパータ。
涙をついばんでくれたパータ。
「幸せがひとつ増えるより不幸がひとつ減ってほしい」
以前こんな言葉に出会い、今その言葉をぼーっと眺めている。
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