2月12日、茜色の夕日

おばあちゃんとおじいちゃんとカニ鍋を食べようとしていたら
NHKでフジファブリックの特集が始まって、茜色の夕日や若者のすべてが流れ出す。
ぼろぼろと泣きながらお鍋をつついた。みんなは笑っていてわたしだけ泣いていた。

憧れているものがある、と私は言った。
でもあこがれってなんだろうなとも思う。
こうしたい、あれがやりたいという目先のことではなかった。
宇宙とか世界とか、もっと果ての話。
ずっとそういうことに心を燃やしていた。

ふれられないもの
どうどう巡りになってしまうこと
永遠に続いていきそうな空の移りゆくさま
あなたとわたしが出会って別れていくそのこと

こころがいっぱいだった。
今なんでもないといえることでこころがいっぱいだった。
でも胸がキュンとすることがある。
まだ、線香花火の火種は落ちてはいない。
そういう風に苦しくない涙を流しながら思った。

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