10月9日、P.S

 
 
 
花に触れた指先がくすぐったい
部屋を渡って行く風があまりにも躊躇なくて
私はなんだか苔むしたようなそんな気持ちになる
 
 
名付けられた世界にあまり興味がない
あなたのここが好きです、とか伝えるのが下手くそなタイプ
興味があるのはその間にあるもので
だってそこには限りない宇宙が広がっていて
足掻いてニュアンスとか手触りを記録してくのが好き
 
いつも確かな手触りはあるんだな
それを言葉にできないだけで
 
 
傷つけたくない、と言われた夜があった
でも好きだから傷つくよ、と言った。
傷ついてたってへいちゃら、とも。
 
そんな優しいことを言うのは君ぐらいだと思った。
そんな愛おしくなることを言うのは君ぐらいだと思った。
気づいたらわたしの中、君ばっかりになっていた。
 
 
何を憎まずとも、過ぎ行く秋のように
愛している時間だけでも生きるのには短すぎるね
 
 
 
 

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