1月23日、YAMABIKO

 
わたしのとこ、風が強い
あなたのとこ、風は吹いている?
 
 
冬、そういってしまったら、おしまいでしょう
雪、そう書いてしまったら、かなわない
 
あなたに出会った季節のこと
束ねておく必要は、どこにもない
 
’書くこと’は罠だ
 
書く時間はとてつもなく、つらく、こわい。
風呂にも入らない日々が続くことだってある。
弔いに向かう面持ちで、ペンを握る。PCに向かう。
やりたくない、とごちる。
けれどつづけていることなど、他にない。
 
誰になりたくて歩いているんだろう
そう言っていた、わたし
歩き出す。
今はもう迷いがない。
 
 
「わたしは風だ」
そんなふうに思っていた。
「去り際のタイミングを掴み損ね」たまま
なつかしい場所でいつまでも揺れているだけの。
あたらしい夢を見ることに憧れたままの。
青の時代に手をつないだ人たちの温度を魔法瓶にいれたっきりの。
何かが変わってく予感に鈍感なままの。
 
けれど風は吹いていた。
いつも、そこに吹いていた。
どこに連れてくのと見上げたそばから
はたりとやんでみせたりするから
風、そうだね、
わたしは自分で歩いていこうと思うよ。
 
 
 
ねえ、風。
あなたが知ってる朝が見たい
 
 
 
 

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